国内不動産投資

【不動産投資】不動産投資を始めるならどの方法ではじめる?(第二回)

こんにちは、ハスキー不動産です。不動産投資に興味があるサラリーマンの方は多くいらっしゃると思いますが、お金がたくさん必要で難しそう、失敗するんじゃないかといった不安をよく耳にします。

実際のところ、一口に不動産投資といっても様々な手法があり、今回は不動産投資の方法について勉強したいと思います。

実際は、地主さんで土地を所有しており、駐車場として賃貸していたり、倉庫を保有して貸し出したりしている方もいらっしゃると思いますが、ここで紹介するのは一般的にサラリーマンが投資しやすい手法を紹介しています。

第一回は1)自己居住用住宅~4)中古区分マンション投資までを紹介しましたので、以下の過去ログをご確認ください。

【不動産投資】不動産投資を始めるならどの方法ではじめる?(第一回) こんにちは、ハスキー不動産です。不動産投資に興味があるサラリーマンの方は多くいらっしゃると思いますが、お金がたくさん必要で難...

 

第1回 現物不動産投資

1)自己居住用住宅

2)中古戸建て投資

3)中古区分マンション投資

4)一棟アパート・マンション投資

 

第2回 間接不動産投資 

5)J-REIT

6)REIT ETF

今回は5)J-REIT ~6)REIT ETFを紹介します。

5)J-REIT

REITは不動産投資信託(Real Estate Investment Trust)といい、簡単に言うと投資家から集めたお金と銀行からの借り入れで不動産(信託受益権)を購入し、そのお金の配当を投資家へ分配する商品のことです。

東京証券取引所には、60を超える銘柄が上場しており、スポンサーやアセットタイプによって様々な特徴を持った銘柄が上場しています。東証に上場している銘柄をJ-REITと呼びます。

J-REITにはデメリットもある一方で、様々なメリットがありますので、ぜひ資産運用に活用してほしいと思います。以下、メリット・デメリットを紹介します。

J-REITのメリット

メリット(1)単価が低く、買いやすい

直接不動産を購入する場合と比較すると、安価に購入することが可能です。

2020年9月12日現在で最も投資口価格が安い銘柄はインベスコ・オフィス・Jリート投資法人で13,710円から購入することができます。

最も高い銘柄としては、日本ビルファンドの625,000円であり、実際のところ最低購入価格は様々ですが、中古の戸建てでも手数料等を含めると500万店程度かかることを考えると、気軽に始められる不動産投資といえます。

メリット(2)市場で自由に取引できる

J-REITは東京証券取引所に上場しており、祝日をのぞく月~金の9:00-11:30, 12:30-15:00までの間に自由に取引をすることができます。

現物の不動産を売買するときには、かなりの手間と時間を要しますが、J-REITの場合は現金が必要になったタイミングですぐに換金できるのが強みです。

現物の場合、最悪の場合買い手がつかないことがありますが、そういったリスクを避けることができます。

メリット(3)高配当銘柄が多い

現在、REITの配当利回り(正確にいうと分配金利回り)は様々ではありますが、3%~6%台の銘柄が多いです。

2020年9月12日現在では、新型コロナウイルスの影響でホテル銘柄が打撃を受け、ほとんど配当に回せない銘柄もありますが、3%~6%というと株式と比較して配当利回りは高いです。

細かくは別の機会で解説しますが、J-REITには税引前利益の90%超を配当に回すことで、実質法人税が免税になる制度があるため高配当を達成しやすいのです。

メリット(4)様々なアセットタイプに投資できる

個人投資家が不動産投資をしようとすると、基本的には住宅アセットへの投資ということになります。

住宅はほかのアセットタイプと比較すると、不景気時にも価格や賃料が下落しづらい安定しやすいという特徴を持っていますが、一方で高い賃料上昇や価格上昇のメリットを享受しにくい特徴もあります。

反対にホテルなどのアセットは、景気の影響を受けやすく、好景気のときには高いパフォーマンスを発揮する一方で、不景気にはADR(客室平均単価)が大きく減少することもあります。

そういったボラティリティの高いアセットに投資できるが、REITの特徴です。

住宅やホテル以外にも、オフィスやロジスティック、商業、ヘルスケアなどのアセットがあります。

メリット(5)分散投資が可能

個別の不動産投資、特に戸建てや区分マンション投資では空きが出てしまうと、借金の返済をしなければいけないにも関わらず、収入が全く入ってこないため給料や貯めていた賃料収入から補填しなければいけないといった状況が生まれてしまいます。

一方で、REITは複数の物件を組み合わせているので、一つの物件からの影響が少なく、安定した収益を享受できます。

たまに、投資法人によっては大型物件を組み込んでおり一棟の割合が大きくなることもあるので、注意が必要です。

J-REITのデメリット

デメリット(1)金融市場に左右されてしまう

REITのパフォーマンスは不動産市場の影響と同時に、金融市場の動向にも左右されてしまいます。

すなわち、不動産市場が安定して成長していても株式市場が下落している場合、それに引きずられてREITの投資口価格が下落してしまうことがありえます。

株式投資をしている投資家が、リスク分散のためにオルタナティブ投資としてREITを購入しても必ずしも良い結果とはなりません。

不動産と株式のハイブリットの商品として理解したほうがよいでしょう。(ハスキー不動産はかつて、米国の大学院でこういった研究をしておりました。また、蛇足ですがプロの投資家向けに私募REITという商品があります。これはREITでありながら株式市場の影響を受けづらい商品として非常に人気がありますが、個人の投資家は残念ながら購入することができません。)

デメリット(2)融資を受けられない

不動産投資の大きなメリットの一つである、融資が受けられないというのがREITの数少ないデメリットの一つといえます。

個人投資家としては、例えば10%の自己資金と90%の銀行借入れを行うことで、6,000万円程の物件を購入することも容易にできてしまいますが、REITで6,000万円の物件を購入するとなると、現金で用意する必要があります。

つまり、銀行借り入れを利用して、投資規模の拡大を図りたい投資家はREITへの投資はしないほうがよいでしょう。

一方で、現金を十分に保有している人や、借り入れをせずに少額から投資をしたい投資家には非常に良い商品といえます。

デメリット(3)投資法人の破産による損失

これは不動産投資に限らず、株式会社への投資と同様ではありますが、投資法人が債務超過となってしまい、破産することになると、保有している物件をすべて売却し、銀行の債務を返済し、残りを投資口の保有者で分配することになります。

この場合、投資口価格と同様の金額が帰ってくることは少ないため、リスクといえます。

どんな人に向いているか。

不動産投資に興味はあるが、借金をするのがこわい。まずは少額から始めてみたい。いざとなったらすぐに売却できる方がよい。キャッシュはあるので、安定的に運用したい。そういった方におすすめです。

 

REIT ETF/投資信託

上記でJ-REITについて紹介しましたが、いろいろなJREITを買い集めてそれを一つの金融商品として組成し、その分配金を配当する投資商品がREITの投資信託/ETFです。

こういった投資商品はFund of Funds等と呼ばれることもあります。

ETFとは、Exchange Traded Fundの略で日本語では上場投資信託と呼ばれています。

その名の通りETFは一般的な投資信託と異なり、上場しているため、株式と同様に応じた自由度の高い売買が可能です。それではメリット・デメリットを見ていきます。

REIT ETFのメリット

メリット(1) さらなる分散投資が可能

REITは様々な物件が集まった集合体ですが、そのREITを集めた商品がREIT ETF/投資信託です。したがって、様々な不動産を薄く保有していることに等しいため、一つの不動産が受ける影響を最低限にすることができます。

(あまりないですが例えば、火災が発生してしまって、一時的に利用することができなくなった不動産があっても、組入率は0.1%なのでほとんど影響を受けない、といったことが想定できます。その資金を不動産単体で運用していたら、賃料はゼロです。)

メリット(2) 海外不動産への投資が可能

J-REITは海外不動産を組み入れることが可能ですが、ほぼすべての銘柄の保有不動産は日本のアセットです。投資家からすると、せっかく日本の不動産に投資したいのに、求められていない海外のアセットを組み入れてほしくないという思いもあるのでしょう。一方で、REIT ETF/投資信託は海外REITを組み入れているタイプが数多く存在します。

例えば、ブラックロック・ジャパンが提供するiシェアーズ 米国リート ETFは米国で運用しているISHARES CORE US REIT ETFのみを組み入れていますが、これは米国のREIT指数のパフォーマンスを目指す銘柄です。したがって、この銘柄を買えば米国不動産全体にまんべんなく投資をすることができます。日本の不動産は今後、値下がりするんじゃないだろうか、と不安な方にはぜひおすすめしたい銘柄です。

他にも、アジアREITや先進国REITなど、投資したいエリアに応じた商品があるのが特徴です。

REIT ETFのデメリット

デメリット(1) 管理手数料がダブルカウントされており、利回りが低い

J-REITは投資法人自らが運用することを禁止されているため、外部の運用期間に委託をしています。

そのため通常の不動産投資よりも手数料分だけ利回りが低くなりがちです。

REIT ETFはそういったREITを組み入れる運用会社に委託料を支払って運用してもらっているため、二重で手数料を支払っていることになります。

分散投資するための手間賃として割り切るしかないと思います。したがって、REIT ETFの分配金は2%~4%程度であることが一般的です。

例えば、信託報酬が廉価な、野村アセットマネジメントが運用するNEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信でも分配金利回りは、3.92%です。他にも、日興アセットマネジメントによる上場インデックスファンド豪州リート(S&P/ASX200 A-REIT)では、配当利回り4.52%と高配当な銘柄もありますが、全体的にはこれくらいな水準が一般的です。

デメリット(2) 融資を受けられない

これはJ-REITと同様で、ETFや投資信託を購入するために融資を受けることができないため、資産を急拡大したい人にはおすすめできない投資法です。

REIT投資信託とETFの違いは?

上記ではETFを前提に説明していますが、REITを組み込んだ投資信託を買うことで類似の効果があります。

異なる点として、例えば投資信託は積立て設定することができるため、例えば毎月3万円ずつ購入するといったことが可能になります。

また、受け取った配当を自動的に積み立てることができるため、複利での運用が可能となります。(毎月分配型の商品を選択することも可。)

さらに、投資信託は純資産額(元本+配当金+保有資産の値上がり分)を投資口数で割った価格で購入することになるため、商品のパフォーマンスのみを判断材料とします。

一方でETFは市場で取引されており、指数の動きに連動する運用成果を目指す投資信託ですので、その基準価額をベースに当日の指数の動きに連動して資産価値が変化して、需給要因によって、高く売買(プレミアム)されたり安く売買(ディスカウント)されたりすることがあります。

ETFと投資信託の手数料でいうと、投資信託の手数料のほうが割高になることが多いです。

どんな人に向いているか?

REITは単価も高く、少額から始めたい。日本の不動産はもう値上がりしないのではないか、海外不動産投資をしたい。REITを自分で組み合わせるより、一つの商品でシンプルに運用したい。そういった方におすすめです。

また、実はETFは年4回の分配金支払いがあるため、年金暮らしで生活資金として使いたいお年寄りの方にもおすすめです。

さて、二回にわたって不動産投資の手法について紹介してきました。

人によってとりたいリスクやリターンの大きさは異なってくると思いますので、必ずしも現物不動産への投資をしなくてもよいのではないかと思います。まずは、メリット・デメリットを比較した上でご自身にあう手法を選べばよいかと思います。

不動産投資はとても楽しいため、まずは色々と調べてみるのがよいのではないでしょうか。

それでは、ハスキー不動産でした。